動物園で学芸員として働きたい人へ

動物園で働きたいと思っている方のうち、学芸員を目指している方もいるかと思います。

でも、先に言っておきます。

ホンモノの動物園学芸員として働くことができる動物園は全国に2館しかありません。

たくさん動物園があるのに、どうしてでしょうか?

日本には博物館法と呼ばれる法律があり、
法律上、一般に博物館と呼ばれている施設は、3種類に分けられています。

ひとつめは、登録博物館です。

これが法律で唯一認められている博物館です。
必ず館長と学芸員がいなければ登録博物館になることはできません。
登録博物館でないとホンモノの学芸員として働くことはできません。
動物園水族館協会に加盟している動物園では2館しかありません。
しかも、うち1館は総合博物館なので、生粋の動物園学芸員になるには残りの1館しかありません。
登録博物館では、学芸員と飼育員の仕事が別になっているので、学芸員が飼育の仕事をすることはありません。

ふたつめは、博物館相当施設です。

ほとんど博物館と変わりはないのですが、何らかの事情で登録博物館になれなかった(ならなかった)施設です。日本の多くの有名動物園はここに含まれます。
博物館相当施設は学芸員に相当する職種の人がいれば大丈夫なので、学芸員がいなくてもいいことになります。
博物館相当施設の動物園では、飼育学芸といった飼育員と学芸員の仕事の両方をすることができる職種がある園もあるので、飼育の仕事もしてみたい人はおすすめです。

三つめは博物館類似施設です。

登録博物館、博物館相当施設になれなかったけれど、「博物館のような運営をしている」施設が該当します。博物館類似施設では学芸員も学芸員に相当する職種の人も置かなくてもいいことになっています。
博物館類似施設に該当する動物園には、学芸員関係の職種がない施設もあるので、学芸員として働きたい人はそのことを頭の片隅においておいたほうがいいと思います。

■それでも学芸員になりたい方へ

学芸員は大学で文部科学省の定める博物館に関わる科目を履修し卒業すれば資格をとることができます。そのため、動物とは直接関わりのない学科で学芸員に関わる科目の単位ををとり、卒業し、動物園で働くことも可能です。(非常に狭き門ですが・・)
動物園には獣医師のように「学芸員資格」がなければできない仕事はありません。
飼育員でも、事務職でも、研究職でも誰でも学芸員の仕事はできるのです。
一応、学芸員の仕事に近い仕事をしている職種を紹介しておきます。

★企画・広報・(渉外)職
企画展やイベントを開催したり、それに伴う広報活動を行ったりします。外部企業と連携するイベントなどでは渉外も必要になります。
学芸員の仕事の大半を埋める業務が企画・広報・渉外です。

★研究職
学芸員と重なる仕事内容
資料の収集、研究、大学等での講演
学芸員との違い
研究職は研究に没頭できますが、学芸員は研究だけでなく、他の仕事(企画・広報・渉外など)も行わなければなりません。

学芸員という職種にこだわらず、動物園で働くことができるならどんな職種でもいい!というスタンスで就職活動をした方が、動物園には入りやすいかと思います。

■学芸員として働く確率をあげるために

・大学院に進学して、研究実績を増やす
できたら、生物系の大学院へ行って研究しながら、求人が出るのを待ちましょう。
・デザインソフトIllustrater、Photoshopを遊び程度でいいので、触れるようにしておく。
園内のPOPを作ったり、広告会社とのやりとりで利用することがあります。
・学生時代にいろいろな経験をしておき、人脈をつくる





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